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『タッチ』は、あだち充の漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)に1981年から1986年まで連載された。高校野球を題材に、双子の兄弟である上杉達也・和也と幼馴染のヒロイン浅倉南の3人を軸にした恋愛を絡めて描いている。 テレビアニメ、劇場用アニメとしてアニメ化もされ、実写のテレビドラマや映画も製作されたあだち充の最大のヒット作である。単行本全26巻、ワイド版全11巻、文庫版全14巻、完全版全12巻、アニメコミックス版全7巻。単行本の総売上は、新書版、完全版、文庫版、ワイド版、アニメコミックス版を合わせて一億部以上を売り上げている。第28回(1982年度)小学館漫画賞受賞。 == 作品解説 == 高校野球と恋愛の2本を軸にしたストーリー展開である。分野は野球漫画だが、野球の経験がない人間にも受け入れられるのは、普遍的なテーマ性が作品全体に表れており、これは本作より先に『週刊少年サンデー増刊号』で連載していた『ナイン』の路線を踏襲したものである。 それまでは原作者を立てたり、隔週連載だったあだちにとって本作が初のオリジナルの週刊連載。タイトルのタッチはバトンタッチの意味が込められており、弟の夢を兄が受け継いでいくことを表している。この死者が生者を呪縛するテーマをもって漫画評論家の夏目房之介は、ラブコメの名作と評する一方で、『あしたのジョー』『エースをねらえ!』と連なる作品と位置付けた。この賢弟愚兄の設定は、あだち充と兄の漫画家・あだち勉の関係の反映という見方も存在する〔『コミック・フィギュア王 平成版』ワールドフォトプレス、1999年〕。和也が死んだ際にはスタッフで和也の告別式が行われ、和也役の難波圭一が弔辞を担当した。バトンタッチ劇となる7巻までは連載当初から構想したもので、以後はストーリー展開が重くなるのをなるべく軽妙にしようとあだちが参考にしたのはテレビドラマ『池中玄太80キロ』であったという〔『「ダメ!」と言われてメガヒット』p.73〕。編集部もあだちを信頼しきって三角関係が最後まで延々と続くと思い込んで担当がいくら和也が死ぬと報告しても取り合ってくれず、入稿の翌日から内容を直せないように担当が2日間会社の席を外し、連絡もつかずという非常事態となってしまった。 途中時々出てくる「達也の悪夢」(弟との比較がさまざまな形で出てくる夢)が、約束でもあり超えるべき壁だった甲子園出場を果たしてからは一切出てこないなど長期連載中にひそかに張られた伏線とその解消がある。終盤では、柏葉英二郎監督代行とその兄、柏葉英一郎との気持ちの交錯も描かれた。 1970年代まで主流だった野球漫画のスポ根ものの定石を否定、あるいはパロディ化するような面も見られる。たとえば、達也が甲子園出場間際に強豪ライバルとおぼしき面々が一堂に会して名乗りを上げるシーンがある。これは野球漫画のみならずスポーツ漫画によくあるシーンであるが、本作では「覚えきれない」としてこれらの面々がそれ以後描かれず切り捨てられている。甲子園で試合しているシーンも一切ない。最終回でライバル新田明男から再戦を要求されると、達也は「もういいよ」「疲れるから」と一蹴した。 7巻まで続いてきた三人の関係を一転させるなど、それまでの三角関係と異なった展開も、当時としては新鮮であった。高校野球を題材にした恋愛漫画では、主である野球少年に対し常にマネージャーや観客としてヒロインは従の関係だったが、新体操のアイドルとしてヒロインを野球とは別の分野で大きく活躍させた点も、それまでに無いものであった。 同時期に連載が進んでいた『陽あたり良好!』『みゆき』の登場人物・高校が一部登場する。『みゆき』の舞台である青華高校は、和也が1年生の時の甲子園地区予選1回戦で明青学園と対戦し敗れている。新田由加に絡んだ不良(先に手を出したのは由加)を往なした原田が「おれは青華高校の間崎」と偽称するシーンがある。『陽あたり良好』の舞台である明条高校が甲子園地区予選を戦った球場は『タッチ』などに登場するものと規格が同じである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「タッチ (漫画)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Touch (manga) 」があります。 スポンサード リンク
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